韓国でまたもやSATの不正があった件

韓国でまたSATの不正があったようだ。
「韓国会場の分だけ、点数が発表されない。内部調査中だって。無効になったらどうしよう」
米国の大学を受験予定の子供をもつ、韓国在住外国人の親たちの間でも、大騒ぎになっている。

ネットをざっと検索してみたところ、韓国の主要メディアではまだニュースになっていない。証券関係のインターネットニュースだけが、単独報道という形でこれを伝えている。ニュースの概要は以下のとおりだ。

10日11日に実施された米国大学入試資格試験(SAT)の問題が、韓国国内のある語学学校から数千万wの価格で事前流出したという疑惑が浮上。教育部やSAT予備校などによると、当初28日午後6時に予定されていたSAT Reasoning Test(SAT 1)の成績が、29日時点でまだ公開されていないという。

SATを主管する米国のカレッジボードは、韓国国内の受験生にはSATの成績を現時点では通知せず、独自の調査を通して15日頃に立場を明らかにする方針だという。これによって韓国だけ点数が取り消しになるか、その際すべての受験生が対象となるのか、一部の突然成績がよくなった生徒だけが対象になるのかは、まだ詳細は決定していないようだ。2007年1月にも韓国国内でSATと類似の問題が流出した疑惑がおこり、その時にはカレッジボードが試験全体を無効処理した事例がある。

韓国内のSAT不正に関しては、すでに「毎度毎度」の感がある。
2013年にも、年明けに問題の流出疑惑が起こり、2月に韓国検察がソウル市内のSAT予備校60カ所余りを家宅捜査。その際に不正が確認され、5月のSAT1と6月に入ってからの科目別生物の試験が中止、一部の受験生の受験資格が取り消された。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130629/kor13062918000008-n1.htm
2010年にも同様の流出事件がおきている。
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2010011883208
ネイバーまとめ
http://matome.naver.jp/odai/2136771125051614601

「毎年、毎年、どうしてこんなことが起こるんでしょう。一部の悪い人間のために、まじめにやっている生徒が犠牲になる」
生徒や父兄の怒りは当然だ。特に11月1日の米国大学早期募集(Early Decision)に願書を提出予定の留学準備生たちは深刻だ。

「さらに毎年のように韓国でのみ起きる不法問題流出により、主幹者がこれをきっかけに韓国から撤収する可能性もある。」と、マニートゥデイの記事には、匿名を希望するSAT予備校の校長のインタビューが紹介されている。
「アイビーグリーグなどの米国名門大学では、韓国の学生のSAT点数は信頼しない、いわゆる「コリアディスカウント」の雰囲気がすでに形成されている」「その渦中に起こった今回の問題で、カレッジボードはこれ以上、韓国国内でSAT試験をしないのではないか」
http://www.mt.co.kr/view/mtview.php?type=1&no=2014102912345525057&outlink=1
http://www.mt.co.kr/view/mtview.php?type=1&no=2014102714041381706&outlink=1

5000万wもの大金を支払ってテスト用紙を手に入れる親たち。それが1人や2人ではないだけに深刻だ。
「韓国の教育熱は想像を絶する」
日頃は韓国人の激しさにたじろぐばかりの外国人の親たちだが、今回の件では他の生徒たちにも甚大な被害をもたらすことで、看過はできない。
韓国政府は李明博前大統領の任期中に、外国企業の誘致のためとして、国内で新規のインターナショナルスクールを複数オープンさせた。さらに済州島に国際教育特区を新設し欧米の名門私立校を誘致、アジアの英語教育のハブ化を目指した。しかし、相次ぐ不正によってSATの実施そのものがなくなれば、韓国の国際教育ビジネスは致命的な打擊を受けることになる。

今回の不正事件にカレッジボードがどういう対応を示すか、結果が注目されている。

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昨日、ここまで書いた。その後、ワシントン・ポストの記事がアップデードされたり、情報がいろんなところに出てきた。
http://www.washingtonpost.com/blogs/answer-sheet/wp/2014/10/29/sat-scores-in-some-asian-countries-delayed-for-quality-control-checks/

とにかく真面目な受験生には大迷惑な話。ただ、これ毎年の恒例行事のようになってしまって、防止はとても難しそう。韓国政府が得意の「あなたたちは国の恥」と弾圧してもあんまり効き目はなさそうだし。

韓国の留学予備校関係者は、今後韓国でSAT試験がキャンセルになるのを心配しているというけど、仮にそうなってみんなが別の国で受けても、不正が防止できるとは思わない。今回の場合は以前の時差事件の時のように、試験会場そのものが問題ではなく、過去の試験用紙を販売した業者と買った親の問題である。

とにかく気の毒なのは真面目に取り組んでいる受験生。韓国で受験した外国人は「韓国で受験したばかりに」と韓国を恨む気持ちにもなるが、韓国人の受験生にとって事態はさらに深刻。
「これでますますコリアンディスカウントがひどくなる」
大学側からしてみれば、SAT満点の韓国系学生を警戒するのは当面は仕方ないし。真面目に点数をあげた子たちは犠牲になる。

なので不正防止は、結果的にもっとも迷惑をこうむる韓国人学生と親が、自覚的に頑張るしかないと思う。要は引き続き告げ口機能を充実させるとか。なんか身も蓋もない解決法だけど。