ちくり

ここ数日間、めずらしく忙しかった。
仕事のクレームと歯の欠落。
ったく、ろくでもない仕事ばかりなのだけど、唯一の救いは歯医者さん。私は韓国の「プロ」に不信感が強いのだけど、この先生は大好き。
無駄な治療はしないし、高いものも勧めない。こちらの意向にしたがって、最低限の治療をしてくれる。

でも、今回はダメだった。とれたのは、日本でやったブリッジ。もう古いし、やり直してもいいのだけど、韓国では保険適用のものがないのだそう。
どれだけ安くても105万w(約9万円)。
歯科医勤務の日本の友人に尋ねてみたら、「日本でやりなよ。絶対、安いよ」
そうだよね。
歯科は治療に限れば、日本の方が安い。(審美しりませんが)

ただ、韓国の歯医者さんが、少々ぼったくりなのは、保険点数の低さと、その適用範囲の狭さにある。
普通のアマルガン治療なんて保険使わなくても9000w(つまり800円)とか。
その一方で、歯医者さんの経営はお金がかかる。最新の診療台、レントゲン…。さらにソウルの場合は家賃がハンパじゃない。
「借金を返すために」「家賃を払うため」、歯医者さんが「お金に走る」のも仕方がないといえば、仕方がない。

歯医者はインプラント、眼科はレシックス、整形外科は美容整形、皮膚科は美肌治療、内科は肥満クリニック…、とまあ、お医者さんはそれぞれ科目別に鉱脈をもっているのだが、悲惨なのは産婦人科
ここで、保険外収入となるのは、不妊治療と人工妊娠中絶しかない。
不妊治療ができるのは大きな産婦人科専門医、設備のない町医者はもう一つの方法しかない。
私の知り合いの産婦人科の先生も、いつも「手術」ばかりしている。

ここにつっこみが入った。
「違法中絶をする医者を、法的に訴えるというのだ。しかも告発するのは同業者である産婦人科医のグループ。すでに3件の産婦人科医院が訴えられているという。

「中絶反対運動」そのものは、アメリカなどでも盛んだし、特に韓国に限ったことではない。でも、韓国の場合はサンケイの水沼さんも書いているように(下に貼り付け)、運動というよりは、仁義なき「ちくり」。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/100221/kor1002211200001-n1.htm

しかも特定な宗教とは関係ないというのだから、意味がわからない。が、じゃあ、何のために??



【週刊韓(カラ)から】韓国で「中絶論争」 女性の権利VS胎児の権利 (1/2ページ)
2010.2.21 12:00

このニュースのトピックス:韓国

ソウル市内の産婦人科医院の看板。中絶論争は、産婦人科の開業医の間でも意見が分かれている(写真は本文と関係ありません) 中絶の根絶を目指す韓国の一部の産婦人科の開業医らが、違法な中絶を行っている同業者を告発し、“中絶論争”が巻き起こっている。女性の権利VS胎児の権利を巡り、医療界や女性団体、宗教界などが侃々諤々の議論を繰り広げている。(ソウル 水沼啓子

 2005年の韓国保健福祉省の報告書によると、韓国では年間約34万件もの人工中絶が行われており、うち95・6%が違法中絶だった。一方、08年の韓国の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の数)は1・19人と、先進国の中では最低。“高妊娠、低出産”という状況が続いている。

 韓国では、1973年に制定された母子保健法で、遺伝的に問題のある場合▽レイプなどによって妊娠▽法律上結婚できない血族や親族間での妊娠▽医学的理由で母体の健康を害する場合▽妊婦に伝染性疾患がある場合−など5つの場合に限り、合法的に中絶を認めている。

 これ以外はすべて違法となる。韓国の中絶希望者で意外に多いのが、すでに子供がいる既婚女性という。「もうこれ以上子供はいらない」といった理由からだが、避妊教育が十分でないといった指摘も出ている。

 また韓国メディアによると、韓国では五体満足の健康な子供が誕生することへの期待感がひじょうに高く、胎児に先天性の疾病が見つかったり、妊娠中に飲んだ風邪薬の影響を心配したりして中絶を望むなど、社会全体が中絶を容易に考える傾向があるという。

こうした「中絶大国」(韓国メディア)の汚名をすすぐため、昨年10月、700人近くの若い産婦人科医ら「本当に産婦人科を心配する医師の集まり」(真OB)を結成し、中絶根絶運動に乗り出した。その傘下の「プロライフ医師会」が2月上旬に、常習的に違法中絶を行っている3カ所の産婦人科医院をソウル中央地検に告発した。

 プロライフとは「生命支持」という意味で、胎児の生命を守ろうという意思を示している。プロライフには現在、30〜40代の若手を中心に産婦人科の開業医600人余りが会員として登録。韓国全体で約3000〜4000人の産婦人科の開業医がいるとされ、決して少なくない数だ。「真OB」や「プロライフ」は、特定の宗教や信条とは無関係としている。

 この告発騒ぎに女性団体などが「望まない出産を女性に強いることはできない」「中絶は女性自身が選択する問題」「韓国社会には婚外妊娠を道徳的に問題視する社会風潮が残るため、中絶を選択するしかない」と反発。中絶に関する自己決定権は、幸福追求権に当たると主張している。

 一部の女性学者らは、韓国では「中絶」という言葉でなく、不道徳的なイメージが強い「落胎(堕胎)」を一般に使っていることも問題視。女性の権利の行使を表す「中絶」と呼ぶべきだとしている。

 一方、こうした違法中絶の告発による副作用を懸念する声も多い。「無免許のいわゆる“もぐり”の施術者による中絶などが増える」「海外に中絶手術を受けに行く」「中絶の費用が高くなる」といった問題が指摘されている。