韓国人は伝統的にオメガ3好き

今朝の朝イチのオメガ3特集で、エゴマ油が紹介されていた。ああ、日本ではこんな感じなんだ。韓国人はクルミエゴマも超日常食。エゴマについて取材した記事があるので、久しぶりにブログをアップ。

韓国美人の理由?
エゴマを美味しくいただく

韓国では、エゴマをよく使う。葉(ケンニム)は肉や魚を食べる時の包み野菜や漬物(チャンアジ)などに、種は粉(トゥルケ)や油(トゥルキルム)にする。エゴマの葉を醤油や味噌でつけたチャンアジなどは、初めて食べた日本人も「とても美味しい」という。でも不思議なことに日本ではエゴマをあまり見かけない。どうしてだろう? 
エゴマにはオメガ3系のαリノレン酸が含有されており、近年、韓国では美容や健康の面でも改めて注目されている。旬は秋から冬、今回はエゴマのお話だ。

エゴマとは
漢字で書くと荏胡麻。東南アジア原産のシソ科シソ属の植物で、学術的に言えば「青シソ」にとても近く、名前が似ているインド原産の胡麻とは、まったく系統の違う植物だという。
たしかにエゴマの葉はシソの葉そっくりで、スーパーで間違えて購入した在韓日本人もいる。
「お刺身と一緒に食べて、びっくり仰天、香りがまったく違っていた。」
 いろいろ調べてみたところ、「アジアにはシソが好まれる地域(日本)と、エゴマが好まれる地域(朝鮮半島)があり、東南アジアにはそのどちらでもない未分化の品種もたくさんある」という。なるほど、日本と韓国はこんなところも大いに違うのだ。
もっとも日本でも大昔は灯明用にエゴマ油が重宝されたというし、多くはないがエゴマ料理が残る地方もあるという。また、韓国でシソ(紫蘇)は漢方の薬材だ。ただ食材としは、「韓国料理はエゴマ」、「日本料理はシソ」と、ともに歩んできたと言っていいようだ。

エゴマの食べ方

エゴマの料理の中で、もっとも簡単なのは「サムパブ」だろう。と書くと、何か特別な料理のようだが、要は「お肉やご飯を包んで食べる」ということだ。包むための野菜を韓国語で「サム(包み)ヤッチェ(野菜)」といい、エゴマの葉はサンチュなどとともにその代表格である。
韓国では肉類だけでなく煮魚や刺身なども葉っぱで包む。たとえば、ヒラメの刺身なども、ニンニやコチュジャンととともにエゴマの葉で包んで食べる。シソとわさび醤油で食べる日本の刺身とはまったく別の味わいである。
「そういう刺身はちょっと…」という日本人でも、エゴマの葉の醤油漬け(チャンアジ)は美味しいと思うようだ。
「これがあれば、ご飯が何杯でも食べられちゃいますね」
私もそれで困っている。
ところで微妙なのは、エゴマの種(トゥルケ)の方である。エゴマ油(トゥルキルム)はごま油(チャムキルム)とともに韓国料理に欠かせないといわれ、市場などでも並んで売られている。

これをチゲなどに加えると独特の風味が加わるというのだが、韓国料理を食べ慣れていない人にはわかりにくい。それよりも、エゴマの味が強烈に伝わるのは、種を粉にしたものを使用したもの。レストランメニューとしては、「トゥルケ・スジェビ(エゴマすいとん)」、「トゥルケ・カルククス」などがポピュラーである。

エゴマ料理の美味しい店
さて、どこが美味しいか? いろんな人に聞いてみると、「トゥルケ・スジェビ」の店が幾つか上がってきた。「仁寺洞スジェビ」や「三清カルククス」などは観光客にも行きやすいが、私には以前別件で取材して「ぜひ、もう一度」と思っていた店があった。大学路の「菊水家」だ。
カルククスやパッククス(小豆の手打ち麺)などが美味しいと評判の麺の店で、劇場街にあるため俳優たちの来店も多いという面でも話題になる。この店の「三色トゥルケ・スジェビ」(6,000w)は、カボチャ(黄色)、サツマイモ(紫色)、ほうれん草(緑色)を加えた三色のスジェビ(すいとん)が入っている。それが印象的だったのだ。
 店を訪れ、さっそくスジェビを注文、10分ほどで運ばれてきた。よしよし、3色そろっている。さて、いただきましょう。まずはスプーンでお味見。エゴマの香りとまろやかさがいい感じ。次に箸でスジェビをつまんで食べてみる。ほどよい固さが、わたし好みだ。やっぱり美味しい〜と、思ったのもつかの間、あれれ?

かっらーい!! しかも徐々にひりひりしてくる。白いスープなのにどうして、胡椒だろうか?
犯人はチョンヤンコチュだった。韓国で最も辛いといわれる緑の唐辛子だ。
「前は辛くなかったのに…」
「あの時は、日本人スタッフと御一緒だったから、わざと抜いたのですよ。韓国人は辛いのが好きだから」
辛くても美味しいので、完食はしたものの、納得できない。白くてクリーミーなものが激辛というのは、反則のような気がする。これは是非ともリベンジしなくて。自分好みのエゴマ料理を探す旅は続き、結果、今回のおススメとして以下の2軒を選んだ。
「弘大ミル房」のエゴマ・カルククス(6500w)
「ビビゴ」のレンコン・エゴマ・スジェビ(9000w)
 このうち、「ビビゴ」のレンコン・エゴマ・スジェビは秋限定メニューということで、レンコンの他、サツマイモ、ゴボウなどの季節の根菜類が加わる。根菜類の素朴な味わいとエゴマの香り、独特な歯ごたえとクリーミーなスープの調和は絶妙。美味しい。さすがだなと思う。ただ、季節限定のため、いつでも食べられるわけではない。
 一方、「弘大ミル房」のエゴマ・カルククスは通年だが、最近のブームでいつも満員。食事時間を外した方がゆっくり味わえると思う。

データ
菊水家 
住所)ソウル特別市鍾路区東宗洞130−33 電話)02−3673−5798
弘大ミル房 
住所)ソウル特別市麻浦区東橋洞198−13 電話)02−322-7713
ビビゴ
住所)ソウル特別市鍾路区新聞路1街光化門オフィシアビル
電話)02−730-7423