意表をつく風景ー釜山、五六島スカイウォーク

「意表をつく風景」が釜山には多い。開発と自然と人間。アンバランスなのだが、お互いを支えあっている。訪れる度に風景が変わる、常時現在進行形な感じはソウルも同じだが、海という圧倒的な自然があるだけに、そのコントラストが際立つ。

スカイウォークのある場所は釜山市南区龍湖洞、最寄りの駅は地下鉄二号線の慶星大・釜慶大入口だ。そこから27番か131番のバスで約15分、海が見え始めたらもうすぐ終点だ。終点「五六島スカイビュー後門」で降りると、まずはその不思議な風景に面食らう。そびえ立つ高級マンション、しかしその下では素潜りの海女が、たった今採ったばかりの海産物を露天に並べている。まだ、身体からは海のしずくが落ちている。

(この高級マンションの後ろ側にはまた別の世界が広がる。釜山生まれの50代以上の人なら龍湖洞が持つ意味を思い出すかもしれない)


 海は豊穣だ。ここは海女たちだけでなく、釣り人たちにも人気のスポットだ。岩場のいたるところに釣り糸を垂れる人々がいる。
 「何が釣れますか?」
 「コンチだよ」
 「え、サンマ?」
 バケツを覗いてみると、中にいるのはカマスだ。でも、何度聞いてもコンチとおっしゃるので家に帰って調べてみたら、なるほど、サンマもカマスも韓国の人々はコンチと呼ぶらしい。
 目の前には五六島、東に行くと二妓台市民公園につながる。海岸線沿いの約1時間の道のりは、釜山市民に大人気のウォーキングコースだ。