トルコとかポーランドとか

トルコからやってきた友人が、本日、帰国する。
10年ぶりの韓国ということだけど、それ以前、1987年にソウルで留学生活をしていた頃の話をいろいろ聞いた。
そのうえで、「僕にとっての韓国はやはり懐かしく、愛しきもの」だと言っていた。

彼はガテン系の教養人だ。文学書を山にように読む長距離トラックの運転手。韓国との縁は勤めていた運送会社の社長が在日だったからという。
「壁に貼られた奇妙なハングル文字に興味がわいた。」
それだけで韓国語を習いにソウルに留学する? しかも1987年って、政治や金もうけ以外で韓国に興味ある日本人など、ほとんどいなかった時代だ。あっぱれな好奇心だと思う。

彼はその後も韓国との縁が切れなかった。日本にいても、トルコにいても韓国人に出会い、時にはひどい目にもあっている。でも、感動もいっぱいしている。そうして30年たった今、あらためて「愛おしい」となった。よかった。長い間韓国とかかわって憎悪のかたまりになっている人もいるから。

彼自身の人生はとても刺激的で、ぜひいつかご本人にまとめてほしいと思うが、私があらためて思ったのは、「日本と韓国はどうしようもなく近いな」ということ。そういう会社で働いて、さっと留学して、さっと友達ができて、その後もいろいろと関係者現れて…。
文化圏でいったら、韓国は中華の仲間なのであきらかに違うのだけど、やはり距離的に近いということは大きい。しょっちゅうぶつかるけど、交流もまた多い。

ポーランドとロシアの関係もそうかもしれない」
ポーランド人と結婚している友人が、ふとそんな話をしていた。
ソ連時代から当地で勉強していた別の友人もそれに「うんうん、かもね」とうなずいていた。歴史問題なと未だに解決できないものはあるが、それでもやはり交流は多く、友情も恋愛も大量に芽生え、結婚も多い。

トルコから来た友人も、今回の訪韓の理由は「友情」だった。
友情や恋愛。
そういうものが生まれる場所にはふさわしいのだろう。相反する力が強力に作用する磁場は。