ブログを更新しようと思った

北朝鮮問題でざわざわしていた日々はいつのこと、ニュースが変わればすべてが変わる? 日常からそんな話題は一掃された。
最近の話題といえば「日本人のお母さんたちが某大学構内で花見をしていた時に、男児数名が植木を折って庭師さんに怒られた」とか、「アパートの駐車場で50代の女性二人が借金問題をめぐって、つかみあいの喧嘩をしていた」とか。

「韓国女性は喧嘩する時に、どうして髪をつかみあうのだろう」
私も目撃したことがあるが、みんなドラマと同じような喧嘩をしている。
「髪が長くてつかみやすいからだろう」
それはそうなんだけど、最近の50代女性はみんなショートヘア(後ろを盛り上げたスタイル)。つかんでも髪はすり抜ける。どうするのかな?

女性同士のとっくみあいは男がらみか金がらみが多い。最近、近所で2度ほど目撃されているのは、いずれも金がらみ。どっちかが、どっちかにお金を貸して、それを返せとか、いやもっと前にはこっちが貸したとか。一筆もらっとけばと思うのだけど、韓国人はそれを「水くさい」と感じるらしい。だから、あっちこっちでもめることになる。

そんなもめごとが身近で増えてきたのを感じる、ということはちょっとヤバいかも韓国経済、と経験上感じる。
そうしていたら、今朝はこんな記事が。

「韓国の個人負債問題深刻 対所得負債比率が過去最大に 」
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2013/04/24/0200000000AJP20130424000700882.HTML

【ソウル聯合ニュース】昨年の可処分所得に対する個人負債の割合は2003年の統計開始以来、最大となる136%を記録し、個人負債問題の深刻さが浮き彫りになった。

 
過去最大とは大変だ。

韓国銀行の金仲秀(キム・ジュンス)総裁は国会の業務報告で「個人負債は限界寸前まで来ている」と危機感をあらわにした。

数字に表れてくるものだけでも大変なのに、韓国の場合は親戚や友達関係の借金も多い。最近、友人たちに話を聞くと、だたの知り合いにまで「ちょっと貸して」が増えているようだ。日本に比べたら、親戚や友達ははるかにやさしいけど、はたしてどこまで面倒が見れるやら。

個人負債の中でもっとも大きいのは不動産だ。超高層高級マンション乱立のソウル。ソウル市民は全員金持ちかと思ったら、実はみんなかなり無理して入居しているらしい。「いい家に住まないと馬鹿にされるから」(韓国で暮らしていると、そのプレッシャーがひしひしと伝わってきます。)

ということで、大したネタもないのに、ブログを更新しようと思ったのは、偶然見かけた友人の同僚のブログのため。
http://kimhongmyong.blogspot.kr/2013/01/blog-post_25.html
本の紹介までしていただいて、申し訳ないかぎり。
最近、韓国関係はどっちかに寄ってないとダメみたいで、私のようないいかげんな人間には「もう無理」って思っていた。でもね、読んでくれている人もいるのですね。だから何かをあげとこ、と思いました。
以下は、先日、東京新聞に書いた映画紹介です。

映画『7番房の贈り物』

1月24日の封切からわずか一カ月余りで1000万人動員突破、さらに記録更新中という大ヒット映画『7番房の贈り物』(イ・ファンギ監督)。全人口が5000万人の国で1000万人と聞いただけで、日本人はその数字に圧倒されるが、今回は韓国でも「異変」とされる。時代劇でもSFでも戦争映画でもない、ただの「ヒューマン・コメディ」に国民がここまで熱狂するとは、映画関係者も予想しなかったからだ。

冤罪で刑務所の「7番房」に収監されたシングルパパと、そこに紛れ込んだ幼い娘の物語。超低予算で、イケメンスターも登場しない。コミカルで荒唐無稽、細部のつじつまもあわず、専門家の評価も低かった。ところが、観た人は皆大泣き。動員数がぐんぐん上がり、ネットには「ひょっとして実話では?」という声まで出てきた。

実話と惑わせるまでのリアリティーの在処を考えていた頃、あるニュース報道に接した。暴風雪の北海道で一人娘をかばって亡くなった父親の話。韓国の報道機関は、最近の日本関連では珍しく、異例の速さと丁寧さでこれを伝えた。

なるほど。
映画は一人残されてしまった娘に対する父親と人々の「祈り」。真実(リアリティ)はそこにあるのだろう。