韓国人の複雑な胸の内

日本の友人が韓国留学中の娘に帰国命令を出し、昨日無事に自宅に戻ったと喜んでいた。
「どこにいても一緒だとは思うんです、やはり心配で」
昨日も書いた通り、今回の事態では「ソウルが特に危険」ということはない。でも、娘さんの話によれば、仁川国際空港はいつになく混雑していたそうで、やはり韓国を離れる人はいるのだと思う。特にこういう時は家族が離れているのは不安だ。私の知っている日本人妻の中にも、できるだけ子供の学校の近くにいたいと言っていた人がいた。

私はラーメンや水の買占めもしないし、何もしないが(はるか昔の90年代、金日成死去の時だったか、ソウルを火に海にすると脅された時だったか、韓国人の友人の指示で銀行預金を引き出してドルに変えたことが一回だけあったけど)、あんまり遠くへは行きたくないと思っている。仕事も近場でさっさと済ましたい。
現在のテーマは「韓国人はなぜ山菜をハウス栽培までして食べるか」。本当は西海岸に今だけとれる不思議なカニを見に行きたいのだが、延坪島の島民も避難を始めたしね。戦争取材ならともかく、カニ取材で前線になんか行きたくない。

近場でさっさと山菜取材をし、とっとと家に帰ろうと思ったら、いきなり雪混じりの雨。あまりにも寒いのでタクシーに乗ったら、運転手さんがついさっき木村幹教授がツイッターで語っていたことと、まるっと同じことを言っていた。


金大中盧武鉉政権の宥和政策は効果がなく、李明博政権の強攻策も無力だった。でもって朴槿恵政権になって「待ち」の姿勢に入ったら、むちゃくちゃになった。もうどうしたらよいかわからない状態。」
https://twitter.com/kankimura/status/321868433895591936

運転手さん、木村教授のふぉろわー?
... な、わけなく、これは客観的事実だから韓国人も当然そこらへんで困っている。「いくらこちらが援助しても、まったく別のところに使ってしまう。本当に困ったもんだ」と。

金大中大統領も盧武鉉大統領も一生懸命お金をあげて、現代グループの会長は牛までもっていった。ここまでしてやっているのに北朝鮮ときたら」
「たしかに金剛山も開成工団も」
「少しでも、経済が回るようにとお金をやっても、まったく別のところに使ってしまう。本当に困ったもんだ」

「親せきに一人ぐらいはいますよね、そういう困った人」
運転手さんはバックミラーで私の顔を見て、その後で深くうなずいた。
「たしかにね、どれだけ金を貸してやっても、まともにならない奴、いるよ」
日本では最近は少なくなったけれど、韓国ではまだ親戚に金を借りまくったり、兄弟に迷惑をかけ続ける人がいる。北朝鮮に対する運転手さんの語り方は、まるでダメな親戚のオヤジの話をするかのようだった。
だから、あえて聞いてみた。
「で、どうします? そういう親戚?」


さて、お答えは?

結局、運転手さんはニヤニヤするだけで、はっきりとは答えなかった。心当たりがあるのだろう。


実はかつてうちの親戚筋にもそういう人がいて、母は何度か援助したのだが、ある日相手が逆ギレ、母は完全に縁を切ってしまった。でも、親戚の中には、まだその人とつきあっている人がいるらしい。
いろんな人がいるのだ。

韓国人もそう、いろんな人がいる。
それでもやはり北朝鮮をかばおうという人もいれば、いいかげん腹立つからこっちから攻撃してしまえと息巻く人もいる。韓国は独裁国家ではないから、大統領はそんな国内世論を見極めて行動するしなければいけない。これは大変なことだ。だから「米国や中国になんとかしてほしい」。
「独立国なんだから自分で考えようよ」という人もいるけど、難しいだろうなと思う。だって、韓国の人って自分で考えるの超苦手。「誰がああ言ったとか、彼がああいったとか」。日本人もそういうところあるけれど、これって教育(家庭教育と学校教育)の問題? って、話がそれました。