韓国でする「孤独のグルメ」①

この正月、我が家で爆発的にヒットしたテレビ番組「孤独のグルメ」。昨年、日本のテレビ東京系で放映された番組で、韓国では日本番組をあつかうケーブル放送などで放映された。うちではVODで一括購入。正月休みにだらだら見ていた。

wikiによれば、原作はイタリアやフランスなどで翻訳され大層な人気だったらしい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A4%E7%8B%AC%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%A1

わかる。
1人でグルメという文化スタイルは、今や多くの国で求められている。
もともとそれが難しくない日本や、台湾みたいな国に住んでいるとピンとこないかもしれないが、ヨーロッパなどはもちろん韓国だって1人でレストランに入って食事するのは大変なこと、「敷居」はとても高いのである。

ちょっと前まで、韓国は「1人で飯を食う人間はいない」と言われていた。私が初めて韓国の会社に就職した時も、社長自ら一緒にランチをする人を決めてくれた。韓国で1人でご飯を食べるほど淋しいことはなく、そんな可哀想な人はいないーーと思われていた。

でも、韓国人だって時には1人で食べたいし、1人で食べざるを得ないこともある。特に最近は中高年男性にとって孤食は大きなテーマでもある。
・部下と割り勘というわけにもいかず、おごらなきゃというプレッシャーでランチにつきあえない。社員食堂があればいいけど。
・妻と子供は海外留学。単身残留(キロギアッパ)が増えた。彼らは1人で夕食を食べるしかない。(その点、サムスンやLGなどは社員食堂も立派で、夕食も食べられる。そもそもそういう企業では、夕食を家で食べるなんて甘い考えでは早晩リストラ対象だそう)

若者だってそうだ。
格差社会の進行で、物価は青天井。フレンチだ、イタリアンだと高級レストランが雨後のタケノコように増えている。そこで、つくづく思う。
「見栄を張らずに安くてうまいものを、1人でゆっくり食べたい」

競争と家族の世話に疲れている韓国人が求めるのが「孤独のグルメ」。孤独を愛する日本文化。ちなみにドラマ「深夜食堂」も
人気で、あちこちに番組タイトルを冠した居酒屋も出来ている。

ところで、実は私も「いのがしらごろう」だったことに、先日、ふと気がついた。職種は違うが自営業者で、昼ごはんは出先で1人でとることが多い。

「さて、今日は何を食べようか」
昨日も、新村あたりで考えていた。オープンしたばかりのビビンバ専門店、私が留学生だった23年前頃から奇跡的に残っている北朝鮮風マンドゥの店…。でも、やっぱり今日はここかなと決めたのは、ちょっと前から気になっていた「LAプッチャンドン純豆腐」。ここにしよう。