KBSドラマ『赤道の男』のこと

これは化けるかも…と思っていたKBSドラマ「赤道の男」が、ついに視聴率競争でトップになり、同時間帯のSBS「屋根部屋の皇太子」、MBC「The King 2Hearts」に水をあけはじめた。「三つ巴のドラマ戦争」と言われたこの三作。当初は朝鮮王朝と現代がワープする「屋根部屋〜」や、北朝鮮の特殊部隊教官と韓国の王子の恋愛をテーマにした「The King〜」が、奇抜な設定やアイドルの起用などで注目されていた。が、ここにきて「正統派韓国ドラマ」が強さを見せつけている。
出生の秘密、貧富の差、失明、三角関係、米国で成功してカムバックと、まさに韓国ドラマの定番アイテムが並ぶ。展開もほぼ予想通りにも関わらず、どうして人々は惹きつけられてしまうのだろうか。 
まずは役者にパワーがある。「夢にも出てきた」などとネット上で絶賛されている主役のオム・テウンはもちろん、その高校生時代を演じたイ・ヒョヌの透明感が、また良かった。そして、両者を隔てる十五年前と今の韓国の眩暈のするようなコントラスト。この国は、こんなわずかな間に発展したのだ。あらためて思った。人々はまだ、ドラマのような成功物語を求めている。