韓国の時代劇、どうして人気?

韓国ドラマ「イ・サン」が日本で人気なのだと言う。友人のお父さんは韓流にはまる妻や女性親族を非常にバカにしていたのだけど、「イ・サン」には陥落。また、友人のお母さんは70過ぎに高齢にもかかわらず、11:00台の番組まで我慢して起きてるとか。

ふ〜ん、どこが面白いのだろう。

私は言葉が面倒なので時代劇は見なかったのだけど(吹き替えならいいけど、韓国語版は古語と現代語がぐちゃぐちゃで聞き取りにくい)、そろそろ見ないわけにはいかなくなった。
というのは、ヒットする韓国ドラマの多くが時代劇。現在放映中のものは4つ、各局が力を入れているのはすべて時代劇。

「日本は水戸黄門が終了し、残るはNHK大河のみ。今後。時代劇は中国と韓国のものばかりだろう」と友人のドラマ関係者(フジテレビじゃないよ)も言っていた。
「どうして、韓国では時代劇がウケルんですか?」

でも、不思議だよね。
日本で「時代劇は人気がない」と終了し、でも、韓国の時代劇が日本で放映される?
これって、普通に考えれば、日本で「時代劇が人気がない」のではなく、「面白い時代劇を作れないから」? となる。

ということで、昨夜、夕飯の時にああだこうだ話しあった。結果、
「やはり史劇にはオスカルとアンドレが必要。」
「めちゃくちゃ悪い暴君や意地悪なマリーアントワネットが必要。」
「貧しくても健気に生きるロザリーが必要」
とベルばらの文脈からは以上。そこに中高年男性の好みをひっつければいい。つまり「義理と人情」「父の仇」「出世」「戦闘シーン」「若干の史実」…。

ところで、この「若干の史実」の部分が日本と韓国では違う。
すでに先行の時代小説などが発達し、多くが国民の歴史物語を共有している日本では、そこからまったく新しい物語を捜索するは難しい。
司馬遼太郎に反した歴史人物の個性に。拒否感を示すオジサン連少なくない。
数年前のNHK大河で坂本竜馬土方歳三が「友達」みたいな設定があったけど、せいぜいあのぐらいが限度。

でも、韓国は自由だから。
歴史学者は昨今のドラマに文句をつけているけど、大衆はもともとイメージがないし、知らないから気にしない。チャングムだって、今やっているペク・トンスだって史実はほとんどない。
「子供たちがドラマ見て、あれが韓国の歴史だと思ったら問題かな…」
と、一応私の友人は気にしていたけど。

でも、私たちの時代にもオスカルが本当にいたと思っていた人はいたからね。