福島第1原発:「米要請で汚染水」平田参与が発言撤回

平田オリザ内閣官房参与は17日、ソウル市での講演で、東京電力福島第1原発の事故で汚染水を海に放出したことについて「米国からの強い要請があった」と発言した。平田氏は18日、ソウルで毎日新聞の取材に応じ「不用意な発言で、大変申し訳なく思っている」と述べ、発言を撤回して陳謝した。

 劇作家でもある平田氏は17日、ソウル市内で韓国の日韓問題専門家らを前に「震災と日本再生」について講演。質疑応答の中で「汚染水の処理問題では韓国の方々にも大変な迷惑をかけた。流された水は非常に低濃度で、量も少ない。米国政府からの強い要請で(海に)流れた」と述べた。

 発言について平田氏は「内閣官房参与であるが、この問題には全くかかわっておらず、事実関係を確認できる立場でもない」と語り、事実誤認であることを強調した。18日朝、東京からの電子メールで報道を知り、仙谷由人官房副長官に電話で「申し訳なかった」と謝罪したという。

 平田氏は内閣官房参与として日本政府の対外広報などを担当。今回の講演も、風評被害防止や復興に向けた政府の取り組みを知ってもらう狙いだった。平田氏は「起きてしまったことは戻せない。地道に説明していくしかない」と語った。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110519k0000m010138000c.html

速攻で撤回。

彼を知る人間なら、誰もが想像した通り。つまり、彼を起用した鳩山さんは、本人を知らなかったんだなあ。

他の内閣参与も問題を起こしているというが、一列に並べられるような問題じゃない。
平田氏の発言には、「適当なことを言って、韓国側にすりよるといういやしさを感じる 」と友人が言っていたが、私もそう思う。

さらにご本人「勘違いだった」(アゴラ)と話したということ。
つまり、「米国の要請」は他の案件だったという意味にもとれる。「事前通告」ならともかく「要請」はないでしょう。 西海岸と海続きなのに。
リアリズム作家なのに、シナリオがトンデモすぎ。

私はこれまで彼の演劇理論はともかく、演劇そのものを面白いと思ったことはなかったが、その理由がわかった。彼の「リアリズム」はオカルトだったんだ。ま、いいけど。

彼個人のことはもういいけど、それとは別に悩ましいのが、最近、このタイプの税金の使われ方が多いこと。平田氏は政府派遣だけど、自治体などでも「風評被害の火消し」と言って、続々と訪韓している。観光地や日本語学校から外国人がいなくなったことで、自治体の人々が税金を使って韓国・台湾・中国を回って「説明」している。

「うちはフクシマから遠い。原発とは関係ない」と、多くの自治体の方がおっしゃるのだが、外国から見たら日本は日本。それよりも、今後は大気の汚染よりも、海洋や地下水。つまり食品汚染による内部被ばく問題になってくるから、「フクシマから遠いから、うちは大丈夫」では説得力がない。

前回の日記にも書いたけど、韓国では日本からの輸入食品添加物から放射性セシウムが発見されたという報道があった。その添加物には海藻類が使われるのだが、現状ではグリーンピース以外は海藻類の検査結果を発表していないという。そういうグレーな部分は、これからも残り続けるだろう。

さらに、外国人が恐れているのは原発は「フクシマダイイチ」だけじゃない。 地震原発のリンクだ。

経済交流はともかく、観光で外国人を誘致しようと思ったら、やはり原発地震のどっちかを止めるしかない。地震は止められないから、やはり原発を見なおすしかないだろう。

それまでは、林真理子さんも言っていたけど、「うちうち」でがんばるしかないんじゃないだろうか。

もちろん、日本に留まる外国人もいるし、日本から脱出する日本人もいる。 さらにこの時期だからあえて、日本に戻ろうとする海外在住の日本人もいる。私は以前、菅首相が「開国」とか言い出した時に、「日本は鎖国すべきだ」と書いたことがあったけど、予期せずそうなったのかなと思う。

私自身は冷戦の韓国で暮らして、外国人が大量に帰国する事態を何回か経験している。なかでも1998年のIMFのときは、金浦空港が帰国の人々であふれかえり、「グッバイコリア」という記事も書いた。

あの時は、わずか4年で、彼らが戻ってくるとは思いもよらなかった。 街はホームレスであふれ、まわりは夜逃げだらけ。そして、韓国はついにIMFに国を売ってしまった。(でも、最近になってちゃんと買い戻した。 )

週末にも日本のある地方自治体からお客さんがやってくる。
観光セールス。ウリはきれいな水と空気、自然環境。韓国側の反応は「今は時期が悪い」。

私自身は税金はもっと別の形で使われるべきだと話すつもりだ。しばらくはうちうちでがんばろうと。