中国の脅威とは…(鎖国のススメ)

①領土拡張欲求をともなう軍事的行為
人海戦術的な「文化」の伝播

例の尖閣問題直後より、日本の友人たちのブログなども大荒れ、いつもは穏やかな極東ブログもレスが70個以上もついて、その多くはブロガーを「中国の脅威を知らない脳天気」となじっている。

私は自分自身に領土的野心や、軍事的行為への憧れがないためか、①にはあんまり「怖さ」がない。ものごとの好き嫌いや怖さは、自分の中にそれがないと対象化できない。軍事的脅威をさわぐ人は男性が多いようだけど、彼らってどっかで戦争好きなのかなと思ってしまう。

で、私が怖いのは②。

昨日、子供をつれて韓国のスパに行ったのだけど、かつて多かった日本人は減っていた。見た目白人で、最初はアメリカ人かなと思ったのだけど、そばによってみたらみんなロシア語。そもそもアメリカ人はこんなに風呂が好きじゃないし…。

で、街に出てみれば、こちらは多くは中国人。韓流ブームということで日本人もいることはいるのだけど、もう数的には中国人にはまったく及ばない。しかも中国人はお金をいっぱい使うから、韓国側にとってはそっちのほうにサービスしたくなる。

これだけ見ていると、もう韓国にとって日本は重要じゃない。
今はかろうじて貯金があるけど、あと数年で日本なんかなくても中国だけてやっていける。なんかのはずみで南北統一すれば、ロシアあたりもさらに影響力を増すだろうし。

日本の敗退は、私が日本人だから困るという面もあるのだけど、それよりも「日本的な文化」が失われていくというのが、ものすごく怖い。
韓国は古来から土着の農民文化の上に、中国的な権威主義がのっていた。近代の入口で、日本に植民地支配されたことで、中国的な権威主義は若干中和された。
「日本のよさ」を見直すことで、中国文化の下にある「韓国(朝鮮)のよさ」を発見し、再構築した近代的知識人たち。日本の植民地支配を正当化するという意味ではなく、これは歴史的な経緯である。

戦後はそこにアメリカ的な平等主義が入ってきた。
その中心は消費における民主主義・平等主義である。ヨーロッパの階層社会に対抗してアメリカが実現した新しい社会システムは、そのものがものすごい不平等を創りだすことに長い間無自覚だった。
アジアにやってきたアメリカ的平等主義は、ヨーロッパという対抗に無自覚になることで、単純な拝金主義になり下がった。

このアメリカ的平等主義が独裁政権とむすびついたのが、韓国の高度成長だった。身分や出身の区別なく、お金さえあれば権威がもてる、そんな「平等社会」が実現された。
中国は、韓国以上に走るだろう。

私は長い間、中韓のがんばりは、米国の一国支配(文化的な)への、アジア的抵抗になると信じてきた。私自身がもっとも大切だと信じる、多様な価値観の共存には、中国や韓国の存在がとても必要だった。

でも、最近はそう思えなくなってきた。
中国に、アメリカに対抗できるものがあるとしたら、それは単に領土や人口ぐらいのこと。独自の文化や価値観などは、グローバル化なるものに飲み込まれてしまった。先陣を切った韓国を見てるとそう思う。もう韓国なんか「ない」に等しい。

中国にももう期待できなし、今後はさらに凶暴になるだろう。
だから日本が鎖国して、自分の中の「アジア」を守るしかない。かつて岡倉天心なんかも気づいていたのだろうけど、明治〜昭和政府はそれと正反対のことをして大失敗した。だから鎖国だ、江戸時代のように。外国との交流は「出島」の人間にまかせて。そうしないと、美しいものがどんどん失われていってしまう。

ちなみに出島から交易で出されるものは、世界で珍重されるだろうな。すごくマニアックなアニメーションとか、中国人の金持ちが死ぬまでに一度は食べたいと願うような京野菜とか…。