韓国の統一地方選挙と鳩山さん

今朝になってやっとソウル市長選の結果が出た。ハンナラ党の現職が約2万5000票差で野党候補を破った。一方で、全体的には野党の勝利感が強い。

「事前の世論調査では与党が強かったのに…」
最大の焦点となったソウル市長選でもここまでの接戦は予想できなかった。マスコミは予想の「はずれ」を反省しているが、韓国の選挙ではよくあることだ。20代後半の浮遊層を一気に動員する、野党の機動力。2002年に盧武鉉大統領を当選させたあの力だ。(あの時は携帯の文字メッセージ、今回はツイッターが威力を発した)。

盧武鉉派の華麗な復活」(アジア経済新聞)
http://www.asiae.co.kr/news/view.htm?idxno=2010060301120855814
などの文字が韓国のあちこちで聞かれる。ツイッターなどにも「浮かれた」書き込みがあふれる。
生きている時にもう少し助けてあげればよかったのに。

折しも、日本では 鳩山総理の辞任。私はリアルタイムで辞意表明を見ていたのだけど、非常にいい演説だった。しかし演説の内容に踏み込むことなく、その行為に対しての壮大なバッシングが続いている。鳩山さんを見ながら、任期中の盧武鉉大統領の苦渋の表情を思い出していた。鳩山さんは死なないだろうから、まだ救われるけど。

盧武鉉大統領も米国との関係でつまずいた。彼が米国との間でFTAの交渉をしているときに、ものすごい反米・反政府デモが起きた。盧武鉉の支持率はあれで10%台まで急落して、その後ちょっと回復したものの、亡くなるまでかつての支持者たちは戻ってこなかった。

でも、韓国そのものは強くなった。軍事的にはともかく、経済的にはとても。
「国民が黙っていないよ」ということは、米国に対しては力をもつはず。(国民を馬鹿にした北朝鮮みたいな国には通じないけど)。
米国は鳩山だけではなく、その後ろにある沖縄県民と日本人を見ている。そして、「日本人」が沖縄を見ていないことを再確認してしまった。

それにしても、今回の韓国の選挙は2大政党ががっぷり4つに組んだ形となった。
わたくしごとながら、わが連れ合い(在日韓国人)今回生まれて初めての選挙権を得た。「ドキドキして眠れない」
真面目な彼は自分が選ぶべき8人(韓国の統一地方選挙教育委員会の長まで選ぶ)についての資料を、しっかり読み込んでいた。
ところで当日の朝になって、「あかんわ、選挙行けへん」。「誰を選んでいいのかさっぱりわからへん。」
「韓国の人だって、個人が誰かなんてわかってないよ。政党で選ぶんだよ。与党か野党。昔は本貫だったけど、今は政党なのだよ」
でも、融通のきかない彼は、「知らん人選ばれへんわ」。
オッサン、相変わらず。ままいいや、たかが1票。

2大政党が争った結果は見事だった。ソウルや首都圏などの「経済特区」で与党が勝利。さらにソウルの中でも、江南など金持ちエリアで与党が勝利した。韓国の2大政党はアメリカ並に固定されてきたようだ。

反対に日本では2大政党というのは難しいようだ。(本家のイギリスでも崩れたように。民主党が分裂して自民党の造反派と結びついたら、寒いものが…。)

韓国はどんどん(日本を離れて)アメリカ的になっていく。 でも、このバランスがないと中国に飲まれちゃう。 アメリカを中心として見る日本、韓国、北朝鮮、アラブ。中国を中心として見る朝鮮半島チベット、ウィグル。傀儡の意味は何か。今は両方の視点が必要だと思う。

ということで、仕事をしよう。
昨日はニュースに釘つけで何もできなかった。