レジャーと潜水艦 (天安艦の話)

韓国は釈迦誕生日から3連休。チビがいつも遊んでいる近所の子供たちもみんなレジャーにでかけるという。
「あれ? ソウルに残るのは我が家だけ?」
そこで、友人などにも電話してみるが、「うちはキャンプ」「うちはコンドミニアム」…。

韓国はこういう場合、親戚一同で動く。うちは韓国に親戚もいないので、同じ境遇の友人宅に。お昼をご馳走になり、その後、子供たちを連れてハイキング。そして夜風にあたりながら、冷たい生ビール。
子供たちも楽しそうだし、いい休日だ。

さて、レジャーでの話題は潜水艦、そして選挙。
木曜日に軍民調査団の公式発表があり、それをめぐって真っ二つに割れる国論の話だ。
北朝鮮はけしからん」
アメリカはけしからん」
「どっちもよくわからん」
「やっぱり、アイリスじゃない?」

アイリスというのは、今、日本で再放送が始まり、子供関係のママ友の間で密かにブーム再燃のドラマの話。北と南も本当は悪くなくて、国際陰謀組織「アイリス」によって、すべてが動かされている…。。(前半はまるで北が敵のように描いてあるが、途中から味方になります)。

ドラマは北朝鮮への美化が行き過ぎで、ちょっと「韓国人の期待」の域を超えている感がある。でも、JSA依頼、南北モノはみんなこの路線できたので、韓国人にはあまり違和感がないのかもしれない。
(ある意味で、それは「李朝モノ」と同じだ。めちゃくちゃな時代考証も、それをドラマとして見せられ続けると、人々の中では歴史事実として認識されてしまう。)

それはともかく…。

潜水艦事件の背後に「アイリス」があると思っているのは、私の友人たちだけだが、これを単純に北の仕業と考えている人は意外に少ない。
田中宇あたりの日本からの情報なども、最近になってにわかに韓国の30〜40代の間で拡散しており、ハンギョレ新聞ははっきりと政府の公式発表に疑問を呈しいてる。

私はハンギョレ(というか、韓国の新聞全般)の記事内容はあまり信用しないのだけど、この新聞の社説が一部の韓国人の強い思いを代弁しているという意味では、一つの目安になると思っている。


「しかし、この程度で北の所業と断言出来るのかは疑問だ。何よりも国防部の事故直後、”近隣の海域で北の潜水艦(挺)活動を発見することはできなかった。投入可能性も非常に低いと思われる”と発表した。ところが昨日は、北の潜水艇がやったとの分析が出た。部品や破片はのちの探索で出てくる可能性もあるが、北の艦艇の動向情報はその時と今と変わらないはずだ・

그러나 이 정도로 북한 소행을 단언할 수 있는지는 의문이다. 무엇보다 국방부는 사고 직후 “인근 지역에서 북한의 잠수함(정) 활동 정황이 발견되지 않았고, 투입 가능성도 매우 낮은 것으로 파악하고 있다”고 발표했었다. 그러나 어제는 북쪽 연어급 잠수정의 소행이라고 분석했다. 부품이나 파편은 추가 수색을 통해 찾아낼 수 있지만 북쪽 함정의 동향 정보는 그때나 지금이나 달라지기 어렵다

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/421735.html

私もこの調査団の発表を見ていたが、やはり「これはあんまりだろう」と思った。もちろん、私自身は北がやってもおかしくないと思っている。というよりは、この発表を見るまでは、そう思っていた。でも、この調査発表を見たことで、なんだかもっと嫌なものの存在にとらわれるようになった。

繰り返される「科学的で客観的な発表」という言葉。でも、かたわらの星条旗を見た瞬間に気持ちが萎えた。
「幸いなことに物証が出た」って。たしかに「幸い」なのだろう。ハングルで数字の1まで書いてあったし。私は陰謀説というのはとても嫌いなのだけど、証拠として登場した図面は北朝鮮の「輸出用武器」というし。どこへ? イラク? なんか周到だな。

印象的だったのはアリラン放送の記者の質問だ。
「多国籍の調査団ということなので、韓国軍以外の人に聞きたい。どういう部分の調査に関与し、どういう経緯で調査結果に合意したのか?」
ところで、答えに立ったのは米軍関係者だった。
違うだろう、米軍ではなく他の国の人に聞きたいのだ。

そんなとき、ニュースで鳩山談話が入ってきた。
 「今、朝鮮半島は緊迫しています。アジアの情勢、あるいは日本の平和のためにも、(普天間問題は)5月末の決着に向けて最終的な努力をしているところです」と述べた。
やはり星条旗が…。

米軍潜水艦による誤爆説も語られてはいるが、「物証」ということでいけば、こちらは全く出ていないし、出てくることもないだろう。
北朝鮮の調査団が潜水すればわからないが)。
ただ、北であることの「物証」(の発表)は、かえってそれに疑惑を向けさせる結果となっている。


「だから、ソウル市長選は民主党に」。
レジャーからの帰りの乗ったタクシーの運転手さんは言っていた。
「私がタクシーの運転手だからというわけではないのですが、ハンナラ党はだめですよ。」
(韓国でタクシーの運転手には全羅道出身者が多くは、歴史的に民主党の支持基盤である。)

韓国に再び政治の季節がやってきた。