「仕返し」としての、韓流ブーム

昨日、日本から「おじいさん」3人やってきた。
長い間、ロータリークラブで日韓親善をやってきたメンバー。今は会社も2世に譲りご隠居の身だが、韓国との親善だけ続けている。そこで話題になったのは、「第一次韓流ブーム」のこと。1970〜80年代のことだ。

韓流ブームは、ヨン様が初めてもたらしたものではなく、過去にもあった。たとえば70年〜80年代の韓国旅行と韓国演歌のブーム。特に韓国人歌手の演歌は、今のK-pop以上にポピュラーだったかもしれない。一方、韓国旅行に方は隠微な響きが伴った。今の若い人には理解できないだろうか、90年代以前、韓国旅行といえば「エッチなもの」というイメージ。ほとんどが妻に内緒のおじさんたちだけの旅行だったのだ。

夕べの会話でも、その失敗談が披露された。
ある社長さんは1979年10月26日の夜、ソウルに滞在していた。その日、朴正煕大統領が暗殺され、街には非常戒厳令がひかれた。社長さんは意味がよくわからないまま翌日、日本に帰国したら、空港で待ち構えていたマスコミにカメラとマイクをつきつけられた。
「韓国はどんな様子でしたか?」
つい、答えてしまった彼は家に帰って、妻と娘に追及された。
「お父さん、韓国へ行っていたの?」
もっと不幸な人もいた。
80年代、釜山で大きなホテル火災があった。被害者には日本人観光客も多く含まれたのだが、そのうち一人の宿泊客の妻は日本のマスコミのインタビューにこう答えた。
「違います。主人ではないと思います。だって、主人は九州に出張に行ったのですよ」

1990年以前、日本から韓国を訪れる人の9割が男性だった。女性の比率が増え始めたのは「あかすり」などが流行した90年代半ばから。2008年には女性の割合が男性より多くなっている。

「ということは、つまり、今の韓流ブームは、日本の妻たちの逆襲ということでしょうか? あの頃、こそこそと韓国に通った男性たちの奥さんたちが、もう爺さんになった亭主も、日本の男も飽き飽きしたという?」
「おじいさん」たちは、一瞬無言になったが、それでもめげなかった・
「そうかもね」と笑いながら、勝手に現在進行中の韓国人女性との「おつきあい」に話をスライドさせたのである。
塀の中の懲りない面々」だな、この人たちはまったく…。