田麗玉さんが暴行された。

Yahooのヘッドラインで、あれっと思ったら、やはり黒田さんの記事だった。

民主化勢装う左翼の偽善に韓国世論嘆く
3月2日20時41分配信 産経新聞
【ソウル=黒田勝弘】警察官7人を殺害した学生運動が果たして民主化運動だったのか? 韓国では保守系李明博政権下で旧政権の左翼擁護政策を手直しする動きが活発だが、これへの旧政権派の反発も激しい。左翼批判の与党議員が国会内で暴行される事件まで起き、混乱している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090303-00000118-san-int
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090302-00000573-san-int

暴行された与党議員というのが、田麗玉だったのが驚きだった。
韓国人にとっての彼女はもっとも保守的な女性議員の筆頭。でも、私たち在韓日本人にとっては、「日本はない」の著者という印象が強い。

「日本の地下鉄に乗っていると思う。日本の女性はどうしてこんなにブスばっかりなのか」で始まる冒頭の部分は、大笑い、あまりにも衝撃的、でも大うけだった。
「日本人は近親相姦が多いから出っ歯が多い」ことがまともに信じられていた当時の韓国社会の日本観を、現役ジャーナリストが裏付けたということで、韓国としては破格の200万部の大ベストセラーとなった。

当時は右も左もなく、国民的アイドルだった彼女だけど、いつからか保守に急旋回。日本にもジャーナリスト出身の保守系女性議員(現在は自民党)がいるけど、彼女と同じくらい、私には田麗玉さんの転身がわからなかった。
権力欲なのかな。男性のそれは理解できるけど、女性のそれはよくわからない。好きな男が与党にいた、なんていうのだったら、とっても共感できるのだけど。

それにしても、荒れる韓国政治。
かつてだったら、北朝鮮や日本の脅威やワールドカップを持ち出して「ひとまとめをするんだろうけど」、今は難しい。
そもそもが借金経済だから、どこから破綻してもおかしくない。金融機関、輸出企業、政府、個人(カード)…。

落ち込むなあ。そんなとき、
「でも、まあ、とりあえずはご飯でも食べましょう」
という明るさは、韓国の人々の長所だなと心から思う。



以下は、産経新聞の記事の続き。

 
 最近、問題になっているのは1989年の「東義大事件」。不正入試などで学園紛争になった釜山市の東義大で、校舎を占拠した左翼系学生たちが警官を人質にし、救出しようとした機動隊に火炎瓶を投げつけるなど激しく衝突、機動隊員7人が死亡した事件だ。

 学生多数が逮捕され服役したが、金大中政権時代の2002年に服役者を含む46人が「民主化運動補償審査委員会」によって「事件は民主化運動の一環だった」として免罪され、政府から全員に多額の補償金まで支払われた。

 この措置に対し、与党ハンナラ党の女性有力議員、田麗玉議員が「これでは法治が成り立たない。国家の基本を崩すもの」として再審による見直しを主張。国会に押しかけた事件関連団体のメンバーによって殴る蹴るの暴行を受けた。田議員は目に眼帯をするほどのけがを負い入院した。与党は「国会議員へのテロ」と非難、世論の大勢も事件に驚き、いわゆる“民主化勢力”を装った左翼勢力の偽善ぶりを嘆いている。

 今回の事件を機に金大中盧武鉉政権時代の親北・左翼勢力に対する過度の配慮があらためて問題になっている。「東義大事件」をはじめ1970〜80年代に学生運動など親北・左翼事件がらみの多くの不法事件が「民主化運動」とみなされ、裁判結果とは関係なく政府によって顕彰・補償されてきた実態があらためて浮き彫りになっている。

 韓国では政権交代による政治的風向きの変化で、過去の出来事の“歴史評価”が変わるということが繰り返されている。金大中盧武鉉旧政権は自らの支持基盤だった左翼・革新系の反政府・民主化勢力の救済、支援に力を入れたが、今度は李明博政権がその行き過ぎを正す番になっている。