韓国最高のドラマ、圧倒的1位は?

なんだろう?
題名に引かれて、朝鮮日報の記事を読んでみた。いきなりひっかかるのは、「名プロデューサー・脚本家にアンケート」という部分。

>本紙は金鍾学(キム・ジョンハク)、チェ・ワンギュ、ノ・ヒギョンら韓国ドラマ界の名プロデューサーや脚本家20人に対し、「1980年代以降における最高の韓国ドラマ」を尋ねた。

http://www.chosunonline.com/news/20090218000048

当事者相手、しかも総計20人。もうちょっと客観的な人選にすればいいのに…。
それはともかく結果は以下のとおりだったそうだ。

1位 『砂時計』(94年、金鍾学演出・ソン・ジナ脚本)
2位 『チャングムの誓い』(04年)
3位 『黎明の瞳』(91年、金鍾学演出・ソン・ジナ脚本)

冬のソナタ』は4位。故チェ・ジンシル主演の『あなた、そして私』が続くそうだ。

で、記事の最後の部分。

「では、最高の演出家&脚本家はいったい誰だろうか。そのアンケート結果は、12日と13日の「CHO‐EN」で発表される。」

この流れだったら、金鍾学とソン・ジナ、わざわざ発表を待たずとしても明らかだ。

私がこの中で、好きだったのは『砂時計』だ。タブーが解かれたばかりの光州事件を真正面から扱った勇気、物語化した勇気もすばらしい。当事者が現存している状況での「現代史大河ドラマ」は、この時期、韓国ではドラマも映画も意欲的に作られたが、多くが失敗している。それまで表現が抑圧されていただけに、「真実」なるものへのこだわりが強すぎた。歴史的事実にストイックになろうとするばかりに、逆にリアリティが消えていった。もっとも失敗したのは、映画「大白山脈」だと思う。
『砂時計』は、男女の物語を重視したおかげで、かえってリアリティが出た。

2位の『チャングム』はドラマとしてはいいだろうが、歴史考証がでたらめすぎて、ちょっと見るに耐えれない。
あの時代になかった料理が、まるであったかのように記憶されていくのは果たしていいのだろうか?
韓国の時代劇はそこらへんが本当に適当でしらけてしまう。
そういえば『宮女』という映画があったけど、そこでの衣装や暮らしていた部屋なども、すべて「デザイナーの空想」で作られたという。
「こんなのがあったら素敵だなと思って…」
プレスリリースにもどうどうと書いてあったな。
当時の絵なども多少はあるだろうに…。そういうことは気にしないみたいだ。

もちろん、日本の時代劇だって、人物のキャラクターなどは「空想」に近い。司馬遼太郎や吉川栄治が作った人物像。それを見て、後の人間が「彼が好きだ、彼が嫌いだ」と人物評価(歴史評価)する。日本の場合は、ある部分の時代考証がしっかりしているだけに、ちょっとしたフィクションが信じられやすい。もっとも明治維新ぐらいなら、歴史が近いから、キャラ設定にも信憑性があるかも。でも、平安時代とかはねえ。
私は一時期、平将門が好きだったけど、あのさわやかさ明らかにNHK大河ドラマの作った人物像(加藤剛)だった。