外貨危機?

最近の経済不安。欧米の金融機関がまず揺れて、ついにアイスランドは国家統制の段階に入ったとか。

http://www.asahi.com/business/update/1007/TKY200810070341.html

アイスランドに関してはなんの知識もないけれど、記事によれば「アイスランドは金融サービス分野に強く、グローバル化の波に乗って急成長していた。それが金融危機で弱みに変わり、銀行の経営危機が次々に表面化。」とか。
緊急援助を求められたのはロシア。「なるほどロシアかあ!」と驚くあたり、私は時代の流れについていってない。

金融サービス分野に強い国といえば、香港のイメージが強い。香港にお住まいのマイミク、メロンさんのお話では、みんなが株をもっているために、周辺は毎日その会話一色だという。
国全体のダメージはないのだろうか。中国と統一したことは、この場合は有利に働いているのだろうか。

韓国はヨーロッパほどではないが、ウォン安と株価の暴落で連日大騒ぎだ。資金調達が難しいのは、世界中の金融機関共通の問題だが、韓国の場合は「外貨」に関する過剰反応がある。
・米国べったりの政財界
IMF危機の後遺症
・一貫した自国不信

韓国の富裕層の中心をなすのは、70年代に米国移民・留学をした人々である。(韓国ドラマで金持ちが登場すると、必ずアメリカに親戚がいるのがその象徴)。韓国系移民(在米韓国人)は米国である程度の成功を収めると、当時は二束三文だった本国で土地を買いあさり、それが経済発展とともに大きな「財」となった。
在日韓国人にもそういうチャンスはあったはずだが、政界のとの結びつき弱かったためか、不動産投機よりも単に貧しい親戚を援助するにとどまった人が多かったようだ)。

香港などでも、外国に居住権をもつ人は多いと思うが、韓国の場合は極端に米国に偏っている。(現在、米国に住む「韓国系」は約200万人)。人的関係が強いため、米国の危機に関して、個人レベルで反応してしまう。

「経済不安の時はどりあえず米ドルに」というのはセオリーだが、韓国ではそれが過剰に強い。
とくに、10年前の外貨危機によるIMFの緊急援助の経験はまだ生々しく、「ドルの溜め込み」は企業でも個人でも、脊髄反射のように行われる。

日本でも年配の庶民は、銀行不信があり、それがタンス貯金に結びつくようだが、韓国の場合はドルと金(きん)だ。日本とは違って、自国不信が強いため、韓国ウォンのタンス貯金を発生しない。(タンスにお金をしまっている人は税金逃がれの人)。

という韓国人の性格を考えると、姜万洙(カン・マンス)企画財政部長官のやったことは逆効果だろう。

姜万洙(カン・マンス)企画財政部長官が6日、市中銀行の銀行長(頭取)との懇談会で最近の「ドル不足」状態について、「海外の資産を早期に売却し、大企業が海外の銀行に預けていた外貨預金を韓国に戻すようにするなど、銀行自身の努力が必要だ」と語った。続けて「道徳的弛緩(しかん)を示す銀行には、ペナルティー金利を賦課する」とも。自助努力もせずに政府に助けを求めてばかりの銀行には罰を加える、というわけだ。(朝鮮日報 10月7日)

http://www.chosunonline.com/article/20081007000041

・政府が強健をもって措置する事態になっている。→国民の不安をあおる。
・政府が実は外貨をもっていないのではないかという不信をよぶ。

「不安」「不信」がさらに事態を悪化させるのは、韓国に限ったことではない。そもそも「信用」なるものを担保にした、金融資本という魔物が世界を牛耳ったのだから仕方がない。

ただ、韓国についていえば、実質経済はそんなに悪くないはずだ。日本人ほどではないかもしれないが、世界的にみれば勤勉な人たちが真面目に暮らしている社会だ。
製造業が主力の国なのだから、そこに自信をもてばいいと思う。