野球の金メダル

昨日は、日本からやってきた劇団の「子供のためのシェークスピア」に招待されて大学路へ。
観劇前に大好物のドーナッツを食べてご機嫌なおチビだったか、劇が始まったとたん、うるさい。挙句のはてに、「これ、ぜんせん面白くない!」と最前列でのたまった。(私はとっても面白かった。奴がチビすぎただけ)。他にもごねている子はいたけど、みんな韓国語だからね。日本人の役者さんたちには、わからない。でも、うちの場合は…。

一幕が終わったところで退場。
招待してくださった友人に、とっても申し訳なかった。

「あんたなんかもうお芝居連れてきてやんない」とぶーぶー言いながらタクシーに乗ったら、運転手さんが「日本人ですか?」と聞く。
「はあ、まあ、そんなところです」と答えたら、いきなり

「パンガスッムニダ〜!!!!」(お会いできてうれしいです)

歓声と万遍の笑顔。
まるで福引にあたったような喜び方に、面食らっていたら、いきなり「おとといの野球は見ましたか?」って。

「いいえ」
「え、野球見なかったの?」
「はあ…、野球って、なんの?」
「そりゃあ、オリンピックでしょう」
「オリンピックの野球ですか? さて、いつの?」

ここまで来て、はっと気づいた。あああ、日韓戦のことかあ。運転手さんが喜んでいる理由も、日本人乗客を歓迎している理由もわかった。

それにしても…。
この人たちの単純さ(シツレイ)、純真さは天が与えたものなのか?


オリンピックは関心を持とうにも持てなかった。人権問題云々の高度の政治的判断というよりは、日本語の放送はないし、韓国の放送はつまらない。以前から好感度ゼロの映画監督チャン・イモの、予想通りの演出に悪態をつきながら、開会式と閉幕式をちらった見ただけだった。
開会式の口パクもそうだけど、閉会式の女の子の笑顔が気持ち悪かった。

果たして中国の人たちは楽しんだのだろうか?

そちらは報道管制もあってか、よくわからないのだけど、韓国の人は「思いっきり楽しんだ」ようだ。おそらく、世界でもっとも。あのタクシーの運転手さんが例外でなく、よく見たらテレビから、街から、ネットから、みんなニコニコ。

こういうときは、在韓外国人は暮らしやすい。
星野監督には申し訳ないが、いい仕事をしてくれた。
これからも日韓関係が悪くなったときには、彼に登板してもらい、今回のような素敵な采配をしてもらったらいいかも…。