[韓国社会]メディア対立

昨日、久しぶりに韓国の新聞を買って、「お!」と思ったニュース。やはり朝日新聞でも配信していた。
「韓国の大手新聞3紙がポータルサイト「ダウム」への記事配信を中断。」

メディア対立は本格的になってきた。
すでに前政権のときから、テレビと新聞の対立は顕在化していた。ベタな言い方だけど、テレビが革新系で、新聞が保守系。韓国には日本のようなテレビと新聞の系列はなく、それぞれが独立している。

インターネットは新聞・テレビ両者のコンテンツを利用して成立していた。ネット新聞というのも一時期流行したが、やはり取材力が及ばない。それよりも大手メディアの記事を「独自に編集」したほうが効率がいい。
さらにブログ。ランキングでは保守系ジャーナリストのものが上がってくるが、これは批判コメントが生きるからだ。

ところで韓国のポータルサイトは非常にドメスティックだ。欧米や日本ではインターネット利用者の70%がヤフーやグーグルなどの検索エンジンを利用しているが、韓国の場合は10%を切る。
70%以上の人がネイバーという韓国のポータルサイトを利用しており、ここに入れば情報に関しては「すべてが足りる」ことになっている。ヤフーやグーグルなんか要らない、ネイバーは韓国人の誇りだ。

誇りといえば、米国産牛肉の反対集会もそれだという。
韓国人と結婚している日本人の友人は、夫と中学生の息子に集会に誘われた。
「このロウソク集会は韓国人の誇りなんだ。ぜひお母さんにも見てほしい」
また、ニュースに出ていた家族連れの参加者も言っていた。
「小さい子供たちに、経験させたいのです。これが民主主義に現場だと」

牛肉云々ではないんだ。これは民主主義、そして民族の誇りなんだ。
だから集会には韓国人しか参加しない。
食品不安におびえる米国人の一人でも参加すればと思っていたのだが、そういうノリではないようだ。
この奇妙な閉鎖性は、日本の反北朝鮮運動とも似ている。

それにしても、新聞はどうなるのだろう?
それでなくても、「紙離れ」は激しかったのに、この牛肉問題でさらに悲惨なことになっている。昨日、中央日報の「薄さ」に愕然とした。広告が逃げている。




韓国3紙、牛肉問題で対立サイトへの記事提供中断
2008年7月7日22時23分
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 【ソウル=牧野愛博】東亜日報朝鮮日報中央日報の韓国大手3紙は7日、大手ポータルサイト「ダウム」への記事提供を中断した。両者は米国産牛肉の輸入再開の報道を巡って対立していた。

 3紙の説明によれば、ダウムが運営するインターネットニュース「メディアダウム」が3紙のニュースを配信してきたが、ダウムの判断で記事の趣旨と違う見出しをつける場合があった。また、同サイトの掲示板では、牛肉問題に関する3紙報道を批判する書き込みが続出。3紙に広告を出さないよう企業に圧力をかける呼びかけも起きていた。

 東亜日報は7日付朝刊で、記事提供の中断について「ダウムが社会的な世論の歪曲(わいきょく)を呼び起こした」と説明。朝鮮日報も「ダウムが不法行為に空間を提供し、朝鮮日報の名誉を損なう行為を放置した」と批判した。

 一方、韓国最大手ポータルサイト「ネイバー」は同社が配信する他メディアのニュースに対する見出しなどの独自編集を年内にとりやめると発表。波紋が広がっている。