[韓国教育]スパルタ英会話

出会う人の99%がイ・ミョンパク大統領の批判をするので、つい、なんとなく彼の肩をもちたくなってしまう。(我ながら信条にずれたことを話しているなあと思うけど、物事には常に批判精神が必要だ。みんなで同じことばかり言っているのは、ちょっと気持ち悪い。)

家人も私と同じへそ曲がりで、昨夜の飲み会では完全に孤立してしまったと苦笑していた。とくにイ・ミョンパクを独裁者でそれを打倒しようとかいうのが、わけわかんないと。あんな何もできない独裁者なんかいるかよと。
うちの彼は「在日」出身だけど、パク・チョンヒ時代に尾行・投獄・拷問という時代のトレンドをすべて経験したので、韓国の同世代と同じようなメンタリティーをもっている。
と、思っていたらしいのだけど、今回ばかりはどうも違いを感じているという。原因は不明。わざわざ考えるのも面倒だ。そこで「へそ曲がり」という結論になった。

ところで昨日、喉が痛くて病院に行ったのだけど、そのビルに大きな垂れ幕がかかっていた。
「祝・民史高合格!」
民史高というのは、民族史観高校の略で、韓国の有名な進学校だ。民族史観というと、なんだか民族主義の学校みたいだけど、内容は正反対。受験には英語の比重が高く、授業も英語でしている。
進学先もハーバードだスタンフォードという米国の大学が多い。

垂れ幕を出していたのは、英会話教室だ。なんでも「米国の名門私立CALVERT SCHOOL」と提携しており、幼稚部から高校生の部まで、教師陣は全部外国人というのが自慢だ。
ちょっと見物しようかと思って中に入り、びっくり。ロビーで繰り広げられていた光景に息を呑んだ。

小学生の低学年の子供たちが両手を挙げて、壁の前に一列に正座させられている。その前に韓国人の男性が仁王立ちになって、子供たちに説教をしている。
「今、勉強せずにどうするんだ! 君たちは……」
その横を、見て見ぬ振りするように足早に通り過ぎる白人の若い教師。びっくりしている私に、受付の女性が遠くから叫ぶ。
「なにか御用ですか?」

これが韓国社会を象徴している。これに反発する子供たちが「反米デモ」に参加する気持ちはわかる。
ただ、大統領にどうしろと言いたいのか、どういう国のあり方を求めているのはわからない。
やはり政権半ばに分裂してしまった、現、野党の責任は思い。中央日報の社説が私と同じ意見だったのには笑った。
「韓国には広場の民衆と大統領しかいないのか。国会は何をしているんだ?」
中央日報はサムソングループの新聞だ。大資本と私が同じ意見かあ……。私が大人になったのかなあ?