後ろめたさを買い取ってほしい

久しぶりに仕事に追われていて、日記も書き込みもできなかった。

毎年のことで、決して好きな仕事ではないのだけど、今回は特に辛かった。
あんなに悲しいことがあり、今も原発が一触即発の状態にもかかわらず、日本のクライアントの姿勢は、3・11前とまったく同じ。
マニアル重視、細部にこだわり過ぎて大局をはずす、
「今、これが重要じゃないだろう…」と思いながら仕事をするから、いっそう効率が悪くなる。

震災後、政府や一部自治体の対応を見ていても、思うことは多かった。
システム改善や反省会より、人間を鍛えることが大切なのではないか。
瞬発力や体力、気力。そして前向きな思いやり。

「もう平和だったあの頃と違うという現実を受け入れて生きていくしかないと思います。 」
と、避難生活を迫れていている高汚染地域のお母さんがブログに書いていた。本当にそうだなと思う。

その一方で、
「あれ? 韓国は節電していないんですね?」と、東京から来たカメラマンの女の子が驚いたように言う。
韓国は外国なんだよ。今、大変なのは日本なんだよ…。
さらに「ええ!? 東京の食材にも放射能入っているんですか?」

海外で暮らしている日本人は、日本のことに口出ししない方がいいと、よく言われる。どうせ聞いてもらえないし、「しょせん他人事でしょ」とばしっと言われることも。
「故郷を出る(捨てるんじゃない)」「国を出る(捨てるんじゃない)」人は、あまりほめられない御時世。
放射能からの「避難」にも、「故郷を捨てる後ろめたさ」があるという。
「後ろめたさ」はすべて東電に買い取ってほしい。

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いろいろ、思考がぐるぐるする中でも、子供だけは確実に育っていく。
今年の夏は、チビが自分で時間を管理できるようなったおかげで、昨年に比べてぐっと楽になった。
もともと夏は大好きだけど、今年の夏休みはさらに楽しくなりそうだ。
と、書きながら、ふと後ろめたさが。

東電に買い取ってほしい。